『雪の蝶ケ岳』

IMG_0727今回は雪の蝶ケ岳。
蝶ケ岳は半年前に、永井真理子のライブをしに登った以来ですが、今回はガイドとして雪山ツアーでの蝶ヶ岳。

蝶ケ岳も今年は4月に入ってからの降雪で、例年になく登山口付近から雪上歩行を楽しめました。
お天気も傘マークと傘マークの合間を縫って晴れ2日間というタイミングで、前日の吹雪のお陰で真っ白に化粧直しをした北アルプスを堪能でき、
更に驚いたのが、日傘(ハロ)、環水平アーク、サンピラー、幻日環、と次々と珍しい気象光学現象のオンパレードで、晴れだけでも有り難いのに奇跡的なタイミングでした。

朝6時10分三股の駐車場をスタートし、ゴジラの木の少し上まではツボ足で登り、傾斜が増して歩きづらくなった所でアイゼン装着。今年は雪がタップリですが、それでも夏道通りだと雪が途切れる区間が多いので、階段をアイゼンで登るのを避けるため、夏道を外れて夏道とは反対側からの直登でまめうち平に到着。

雪山では薮が埋もれるため直線的に登れる事が多いので、夏よりも急登に感じる人も多いはず。森林限界を越える頃には大概の登山者があちらこちらでバテてましたw

 

槍の穂先が見え始め、12時45分大展望の蝶ケ岳ヒュッテに到着。
GW前半では天気予報が一番良いこともあり、宿泊客は約200人、受付もトイレもテント場も何処も凄い賑わい。その中でも大部屋ではなく窓の外に槍が見える静かな場所に部屋を確保させて頂き感謝。

そういえば森林限界を越える直前、尾根から空へ水平に突き出す太くハッキリした虹のようなものが現れたのですが、虹とも彩雲とも明らかに違うなと不思議に思っていたら、なんと『環水平アーク』という、上空に漂う氷晶に太陽の角度が合った時にだけ現れる珍しい気象光学現象が。 良く見ると太陽の周囲には日傘(ハロ)、幻日環も同時に。

ヒュッテに到着後、14時過ぎから自分のお客さん達と群馬から来ていた友人夫妻と同じテーブルで宴会。気がつけば隣席の見ず知らずの方からもお酒を頂いてしまい、盛り上がっていたのですが、夕食後に夕陽を眺めに外に出てみると、なんと、今度は沈む太陽の上にサンピラー、そして槍のすぐ横に幻日(縦虹)が。

 


日傘(ハロ)、環水平アーク、サンピラー、幻日環、それぞれ一つでも珍しい現象なのに同日に全部見られるなんて、こんな事ってあるんですね。

夕食後は各々自由に山小屋での時間を過ごし、翌朝の御来光を観るために20時頃には全員就寝。(朝まで一度も起きませんでしたw)

そして2日目。
4時半頃にぞろぞろと起きだし、御来光を拝みに外へ。
山の稜線で大勢が皆同じ方向を向き、朝陽が登ってくるのを静かに待っている光景が僕は好きです。
それぞれ色んな想いで登ってきた知らない者同士が、今だけは皆同じ方向を見て同じ感動を共有し、下界に下りたらまたそれぞれの道を帰って行くんだと思うと、この時間がとても愛おしく感じます。

 

この日は槍穂高側にガスが切れなかったので、モルゲンロートに染まる槍穂高連峰とはなりませんでしたが、ピンク色に染まったガスの巨大スクリーンに、蝶ケ岳の稜線の陰が映し出され、それはそれで壮大で素敵でした。IMG_07215時半からの朝食後、トイレや玄関も渋滞していたので、下山も渋滞だろうと思い、せっかく御嶽山〜乗鞍〜槍穂高連峰までスッキリの姿を見せてくれてるので、小屋前で記念撮影などしてから7時下山開始。

 

我が家からも見える蝶ケ岳ヒュッテ。仲良しの小屋番さん達に挨拶をして稜線を後にします。

 

稜線直下の斜面ではまだ雪も絞まってる時間帯なので、滑落停止訓練をしながら♬

 

今回も急な下りでピッケルの向きを、意味(ピックの前後)をちゃんと理解した上で正しく持ててなかったりすると何度でもしつこく注意させて頂きましたが、お客さんの安全を思っての事でガイドとして当然の義務です。
雪崩が起きるほど大声で怒鳴るわけでもなく、静かに諭してるだけなのでどうかご理解下さいませw

 


三股から蝶のルートでは沢地形を何度か横切らなくてはならないので、降雪直後という事もありお客さん全員にビーコンを装着してもらっていたましたが(もちろん発信と受信の切り替えの説明などした上で)、蝶沢をはじめ、沢筋のトラバースは間隔を開けたり1人ずつにしたり。IMG_0784 弱層テストの結果を見てもこの日は問題なさそうでしたが、蝶ケ岳付近の沢ではまだ何処にもデブリが見られず、翌日からの降雨で雪が濡れて重くなると、斜面が重力に引っ張られストレスが上がり、更に気温が上がったタイミングがかなり危険ですね(多分5/2〜3頃ではないかと)。天候悪化の中、軽装な登山者も含め大勢登っていったのが気がかりです。

まめうち平からの下りでは登りに使った急斜面は避け、夏道ルートを選びましたが、案の定直ぐに階段地獄、途中から雪が途切れて歩き辛いので早々にアイゼンを脱ぎツボ足で下山。

力水の手前付近から、前日には見られなかったキクザキイチゲがあちらこちらに咲き始めていて『お疲れ様、また来てね』とお見送りしてくれてる様で、とても癒されました。IMG_0790

今回は青空や御来光ばかりか稀少な現象、1日で変化する植生を観る事もでき、平成最後にとても恵まれたツアーになりました。

今シーズンの雪山ツアーは残す所あと2本!
常念山脈縦走と北穂高岳ツアー、両ツアーとも総合力が必要な集大成な内容になりますが、最後まで事故無く楽しく、令和元年の雪山ツアーに良い形で繋げられるよう、更に気を引き締めて山に入りたいと思います。

『雪の蝶ケ岳』” への1件のフィードバック

  1. 環水平アークから、鑓穂高の眺望、キクザキイチゲまで、すばらしい登山でしたね~。
    こんな時もあるんだ。みなさん、よかったですね。きっとなにかのごほうびです。

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