『雪の常念山脈縦走・本番』

IMG_41371日目:中房・燕岳登山口〜燕山荘
2日目:燕山荘〜大天井岳〜常念小屋
3日目:常念小屋〜常念岳〜前常念〜三股口

『1日目・小春日和のスタート』
中房の燕岳登山口を6時10分スタート。
合戦尾根は急登と言われているが、丁度良い間隔で休憩適所にベンチがあるためとても登り易いし、登山口から暫くは雪も凍結も無かったのでツボ足スタート。 途中、雪が増えてきた所でチェーンスパイクを装着してもらい、合戦小屋でトイレ休憩の後アイゼンに履き替えてもらい、ストックを仕舞いピッケルに。晴れて微風なのでTシャツ一枚でも暑いくらい。

合戦小屋は去年のリニューアルに伴いトイレがとても綺麗になり、メニューも増えて更に居心地が良くなりましたが、のんびりしてると身体も雪もどんどん重くなるので、用事だけ済ませ合戦沢ノ頭からの稜線へ。
森林限界を越えて稜線に出ると槍の穂先が徐々に見え始め、合戦小屋までの樹林帯の急登と変わって眺望も良くなりますが、夏道よりも直線的に歩いてるのと燕山荘がデカ過ぎるので夏以上に『近くに見えてるのに近づかない』現象にw

小忠実に深呼吸や立ち休憩を挿みながら、13時頃燕山荘到着!
午後は霧に覆われる予報でしたが、お天気の崩れも無さそうなので、何はともあれ先ずはランチ。チキンカレーとビーフカレーどちらも絶品でした♡

燕山荘といえばサービスの良さでは今まででも充分でしたが、更に進化。
まるで採点表でも付けられてるのかと疑いたくなるほど、スタッフの細かい対応、言葉遣いが徹底していて、本当にホテル並みの御もてなし感には驚きました。

ランチ後、お客さん達には要らない荷物をザックから出してもらってる間にお腹も落ち着いて来たので、いざ燕岳へ。
所々で踏み抜きなどもありましたが、往復にはツボ足で充分。今日のイルカさんは白イルカではなかったけど、お天気が良いお陰で、槍穂高から裏銀座、立山〜剱、後立山、上信越、南アまで大展望が見渡せ、最後まで気持良くのんびり歩けた登山日和に感謝です。

燕岳から小屋へ戻ると、もちろん生ビール♬ 小屋開け早々に生のサーバーが置いてあるのは嬉しい♡
ケーブルカーがあるから何でもありとはいえ、合戦小屋からはスタッフが歩荷してる事も多いので、頭が下がります。
因に、この日は15時頃でも、外で槍を眺めながら生ビールを飲めるほどの暖かさでした。

が、問題は翌日!
距離も行動時間も長い2日目、『日本海から寒冷前線が南下してきて昼前後から天候が悪化』との予報だったので、2日目は4時スタート厳守にし、お酒もほどほどに夕食後は早めに就寝☆ 多少の降雨や降雪ならいいけど地上の気温が高くなるこの時期、雷だけは勘弁です。

『2日目・ダイナミックな大縦走』
早出のため、朝食を弁当にしてもらっていたので、暗い食堂でヘッドライトで朝食を済ませ、皆さん2時50分に起床したらしく、仕度もスムーズだったので3時50分にスタート。

前日、小屋から少し下見に行った感じからツボ足スタート。
先ずは表銀座、蛙岩を目指します。夏道では蛙岩は巻くんですが、積雪期は雪庇が発達してて危険なので真ん中の穴を通り抜けます。真ん中の穴までは先ず三点確保で岩登り。

ただでさえサバイバル感があるのにヘッドライトで照らしながらなので、洞窟か遺跡探検みたいで、皆さんワクワクされてました(iPhoneが自動で感度を上げてるので明るく見えますが実際は日の出前なのでもっと暗かったです)

蛙岩を抜け稜線を歩いていると陽が昇り、大下りノ頭へ。
大下りと言ってもここのアップダウンは高度差100mほど。登り返しの急斜面の手前でアイゼンを履きました。

それよりもその後が地味にアップダウンがあり、そろそろキツくなって来たかなというタイミングでライチョウ君が登場♡ 癒され励まされます。

ライチョウに元気を貰った後は、緩やかでひたすら気持ちの良い稜線歩きで喜作レリーフのあるコルへ。

お次は大天井岳への登り。大天井への登りは夏道は滑落のリスクが高く危険なので、本来なら急な雪壁を220mほど直登するのですが、今回は雪が少なかったので途中で岩場へ逃げアイゼンを外し岩登りで大天井岳のピークへ。


さすが岩好きな皆さん、三点確保がちゃんと身に付いているので見ていても危なげもなく着実に楽しんで登って頂けました。
大天井岳へ登頂すると槍が真正面に見え、常念岳最高峰だけあって歩いてきた表銀座が遥か下に見え、ここまで頑張った全員で歓声を上げながら讃え合い記念撮影(まだ道のり半分ですが)

大天井の頂上から大天荘までは一直線に下り、山荘前のベンチでランチ。この時点ではまだ風もなくポカポカ陽気です。ですが雲行きは怪しく、いつ空が牙を剥き始めるのか怖いので、食べたらさっさと仕度して、常念小屋を目指します。ここからの稜線歩きは緩く極楽ですが距離的にはまだ半分なので、もし寒気が入り込んで来て雷でも始まったら逃げ場がありません。(最悪の時は大天荘の冬期小屋に逃げ込めますが)

それでも流石に朝3時50分出発には寒冷前線も追いつけなかったようで、早寝早出にご協力頂き9時間頑張って歩いて頂いたたお陰で、12時半には常念小屋へ到着する事が出来ました。

暖かい食堂でランチを終えて少しすると本格的な降雪、ホワイトアウトが始まったので、飛騨側も信州側も怪しく黒い雲が近づく中、常念山脈の上だけ青空だったのは本当に有り難かったです。

『3日目・早起きは三文の徳』

常念山脈縦走ツアー最終日。
早朝3時半スタート!
疲れも溜ってる最終日、何故更に出発時間を早めたかというと。
寝起きでいきなり高度差400mを頑張って頂く為には、人参(御来光とモルゲン)をぶら下げる必要があると感じたので、モチベーションを上げるためにあえて出発時間を早める作戦に出ましたw
この日の朝はカナリ良いと予想出来たのと、予報は良くてもなるべく早い時間帯に前常念を通過してしまいたかったので、早出の最大の理由はリスク管理です。

常念小屋の玄関を出ると、昨日の午後から未明まで降り続いた雪は15〜20センチほど(吹きだまりでは膝上)、風が強い箇所では吹き飛んでましたが、気温もマイナス9℃。
前日とは全く別世界で真冬並み。これが油断しがちなGW頃の怖さですが、北アルプスの3000級では当然です。目出し帽や防寒対策も万全にしてもらっていたし人参をぶら下げてるので、寒く暗いヘッドライトでのスタートも皆さん気分が落ちる事もなく冷静に登って頂けました。

昨日までの2日間と比べて一気に厳しいですが、厳しさと比例し山も真っ白に化粧直しをしているのが日の出前の暗さの中でも分かり、見事な人参になる予感です。

東の空を見ると今にも人参が始まりそうだったので、常念岳山頂での御来光は諦め、足場が安全で強い西風を避けられそうな場所を探し、零和時代になり初めて山で迎える御来光が昇ってくるのを待ちました。

風も無い快適な御来光ポイントから再出発し、再び強い風の中を登って行くと、次はモルゲンが始まりました。

槍穂高のモルゲンはもちろん荘厳ですが、自分達が歩いて来た常念山脈、昨日の最後に通った横通岳が眼前で朝陽に染まり格別でした。
常念岳への最後の登りでは雪煙を上げるほどの強風でしたが(それでも風速15mほど)、急登なのでとにかく汗をかかないようスピードとウェアを調整しつつ、最後を登り切ると

登頂して間もなく、なんと無風に!
山頂には一瞬しか居られないと思っていたのですが、自分達が3日間歩いてきた道をゆっくり振り返る時間も頂き、更に常念岳の三角形の影にブロッケンの御褒美まで!


この日は見渡す限り雲海がとても壮大で素晴らしかったのですが、僕はこれから高度を下げあの壮大な雲海の中へ突っ込んで行くとどうなるかを想像し、あまり長居するとろくでもない事になると感じ、眼下に見える前常念までのルートとリスクを説明したあと、全員ロープで確保して下山開始!

風はあるものの軽快に稜線歩きを楽しんでもらい、アッと言う間に前常念へ。

すると石室手前の岩場から下見の時のライチョウ君(多分)が、お見送り♡
3日前の下見の時とは別世界になっていたので、ここからアイゼン+ロープ確保⇒チェーンスパイクで岩と雪のミックスの下り。雲海の中へ突入すると降り続く雪、積雪で印がなかなか見えなかったが下見した直後だったので安心でした。

樹林帯まで下りても雪は降り続き、まるで北八ケ岳の様で、例えるなら高見石を300m下りた後に縞枯山を800m下りるような感じでしたw
でも、樹林帯が氷点下だったお陰で踏み抜き地獄も最小限で済み、高温によって体力を奪われる事もなく、考え方次第ではこれも好条件だったのかなと思えるほど、メンバーさんが今回の縦走で強くなってくれた気がします。


午後12時半、三股口に無事下山!(気温−2℃)
皆さん、今回の三日間の縦走で体力的にも精神的にも本当にタフになって頂け、また技術も着実に前進して頂けたようで、前常念からの下りの岩場が新雪と岩のミックスになっても、樹林帯に下りてから長い踏み抜き地獄になっても楽しむ余裕を残し、最後まで集中力が切れる事もなく無事、壮快にゴールする事が出来ました。

今回は初の雪山縦走企画でしたが、お山、お天気、ご協力頂いた各山小屋の皆さん、ガイドの判断を信じ頑張って完走してくれたお客さん全てに恵まれ、ツアーを安全に楽しく終われた事に心より感謝です。

 

『雪の常念山脈縦走・本番』” への2件のフィードバック

  1. 今回の山旅もいろんな体験ができ、感謝しています。
    一緒に歩いて頂いたメンバーの方ありがとうございました。

    へこんだ自分の気持を見抜き、見事に立ち直らせて頂いた結果参加できた事、登山する前に断念していたら、さぞや後悔したと思います。
    私の心のメンテナンスまで恐れ入りました。
    本当に信頼できるガイドさんですね。

    でも心のささやきは常念登頂の時にもでました(笑)
    あの景色を目の前にここを登るの…「バッカじゃないの」こんな私が行けるの…
    でも今、この場所にいる、凄いこと!複雑な気持ちでした。
    ガイドさんを信じてついて行って良かった。
    常念岳のブロッケン現象、山が迎え入れてくれた気がしました。

    旦那さんにも正直に報告しました。私の気持ちはお見通しで、アドバイス、注意などをしてくれました。いい旦那様です。

    これからも、いろんな挑戦をしたいと思います。
    お手数をお掛けしますが、宜しくお願い致します。

    いいね

  2. 縦走3日間、お疲れ様でした。
    雪山としては長距離を頑張って歩いて頂き、また良いチームワークを有り難うございました。
    最終日の常念岳へは、安全への自信と登頂時の天候への確信を持って早出しましたので、信じて頂き感謝しています。
    いま振り返ってみても皆さんの充実した表情や、数々の経験を共有出来た事を、本当に嬉しく思います。

    とても中身の濃いツアーになりましたね。
    こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。

    いいね: 1人

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