『有明山・表参道〜裏参道縦走!』

IMG_4815長大な北アルプスを背後にしながらも、ずっしりと風格ある存在感から有明富士、安曇富士、信濃富士、とも呼ばれる有明山は、安曇野のシンボルであり御神体。
現在主に登られてるのは中房の有明荘から裏参道の往復ですが、今回は表参道から裏参道へ縦走する初の企画! 原生林〜沢〜滝〜岩場〜シャクナゲ尾根〜とダイナミックで変化に富んだコースに珍しいお花まで。お天気も6月で一番の快晴となり素晴らしい縦走になりました。

『1日目』
有明山縦走を翌日にひかえた皆さんに足慣らしとしてお連れしたのは、旧四賀村の『虚空蔵山』
麓の会田宿では古くから地元の人々に会田富士として親しまれ、善光寺街道最大の難所と呼ばれた立峠のある山です。
そんな虚空蔵山には3つのルートがあり、今回はその中でも急な参道から続く岩屋社コースと呼ばれるルートを登りました。
鳥居のある登山口からいきなり急登ですが、急斜面を登った先の岩の洞窟に想像以上に立派な岩屋神社が建つ、なかなか面白いコースです。

 

 

扉を開け中を覗くと囲炉裏があったり、反対側には広々としたデッキがあったり、丁寧でしっかりした作りです。あの急斜面を木材や大工道具を担いで登り、その上こんなに繊細な仕事をしたとは、、、。

 

 

岩屋神社から更に一登りすると分岐のある稜線へ出ます。
標高こそ1139mしかないが眼下には善光寺街道と会田宿、その向こうには松本平から安曇野までが見渡せる気持ちの良い所です。

 

 

植物に詳しいお客さんが発見した半鐘蔓(ハンショウヅル)など珍しい花も咲いていてくれ、遠望の効かない曇り空ながらも信州の里山の魅力を楽しませてもらいました。
のんびり歩いていると風が急にひんやりと雨風に変わったので、翌日の本番の為にもウェアや靴などを無駄に濡らして欲しくなかったので、巻道を使い下山。

途中の道の駅や地元スーパーなどで買い出しをして、最後に畑に寄ってから帰宅しました。

 

 

翌日は早朝4時半スタート厳守に設定したので、今回は外食ではなく安曇野ベースにて宴会。
前日から猪肉カレーや前菜などを仕込んでたので、皆さんがお風呂に入ってる間にテーブルをセット、宴会準備万端♬
因に皆さんお風呂のあるホテルから『気持ちが良いから歩いて帰るわ』と徒歩で帰ってきました(さすが健脚チームw)
因に半年前に自分で解体した猪肉を使ったのですが、数日前から冷蔵室でゆっくり解凍した後、ヨーグルトと味噌と赤ワインに漬けておいたので、柔らかく臭みもなく皆さんにはご好評いただき、おかわりまでしてくれました(^^)

 

 

下の写真は数日前の仕込の時のショットですが、猪の肉の香りに野生の本能が目覚めたのか、小春はずっと見てましたw

 

 


『2日目』
いよいよ初の表参道〜裏参道縦走当日。

この日は梅雨とは思えないほどカラッと涼しい風が抜ける快晴!
本来なら汗がまとわりつく様な蒸し暑い日が多い6月ですが、空気が乾燥して涼しいお陰で鬱陶しい虫も居ないという好条件が重なりました。
先ずは登山口から緑深い原生林を分け入って進み、沢沿いに2時間ほど歩くと最初に現れる絶景ポイント、『妙見の滝』

 

 

滝の下方を横切るお客さんと比べると大きさが分かりますね。
この先を塞ぐ大岩が表参道の最初の関門になりますが、去年の台風で足場が流されてしまったので、先月の登山道整備で苦労して直した箇所です。

ここは水しぶきを浴びながら岩壁と大岩に挟まれたチムニー風を登って行きますが、皆さんもう少しビビると思ったら、楽しい!!とテンションが上がったようでなによりw
大きな岩を数人掛かりでロープで下ろして足場にしたり、通り易いように整備した甲斐が有りました。

 

 

 更に沢沿いのガレ場を進むと現れるスケールの大きい白河滝。
ここでは滝の下部、目の前に虹が出現し、まるで有明山の神様から歓迎されているかのような幻想的な光景でした。
そして更に、滝の向かいの岩壁には可愛らしいユキワリソウ達が咲いていました。

 

 

一見ハクサンコザクラに見えますがユキワリソウだそうです。
今回のメンバーの一人で僕の植物の先生Nさんによると、このユキワリソウは八方尾根のような蛇紋岩や石灰岩の高山、亜高山帯に生息するそうで、有明山で出逢えると思わなかったと、とても喜ばれていました。
僕も自分で調べたところ、特に『湿った岩場』を好むそうで、だから滝の水しぶきで濡れる正面の岩壁にだけ生えていたのでしょうね。表参道の自然の深さを見せてくれた可愛らしいユキワリソウに別れを告げ、いよいよ山頂まで続く急登に次ぐ急登の始まりです。ここから次の分岐『落合』までは梯子やクサリ、ロープ、更に木の根や笹も掴みながらの狭い急斜面ですが、この日は涼しくて湿度も低かったので急登もとても快適。蒸し暑いとそれだけで体力が消耗するので助かりました。
体内くぐりと呼ばれる岩を抜け、岩壁をトラバース、笹の急斜面から尾根に出ると分岐点『落合』
今は通られてない松川からのルートとここで合流します。

 

 

尾根に出るとシャクナゲの数が急に増え、蕾もあちこちに見られまだまだシャクナゲは見頃のようでした。
山頂まではずっと登りっぱなしですが、濃淡の違うシャクナゲのグラデーションに癒され、シャクナゲ越しに富士山まで見渡せる何とも幸せな気分になれる『シャクナゲ尾根』です(勝手に命名しました)

因に有明山は付近の燕岳や大天井岳と同じく風化し易い花崗岩なので、崖やガレ場、滝など険しい山容に特徴が現れてるのを実感します。

 

 

視界もどんどん開け、まるで雲に浮かぶ島の上を歩いているよう。

 

 

最後の急登を登り切ると、有明山『北岳』登頂!
有明山は森林限界が無いので、いきなり山頂の鳥居に出ます。

 

 

4時25分にスタートして10時15分登頂なので、休憩込みで5時間50分は標準コースタイムを切ってます。
難所の多い険しいルートなのでいつものゆっくりペースで山頂まで7時間くらいかなと思っていたのですが、メンバーの皆さん休憩時間や仕度などもスムーズで、全員の体調管理(水分補給や行動食の摂り方など)も良かったからか、誰1人バテる事もなく極めて順調でした。

とりあえず北岳に荷物を置き、歩いて5分の三角点のある展望台へ。展望台からは目の前に燕岳〜大天井の稜線が望め、先月雪の常念山脈縦走に参加された3名のメンバーさんは『あそこをず〜っと歩いたんだね〜』と感慨深気に眺めていらっしゃいました。

 

 


また、来月縦走する予定の塩見岳〜北岳や、北燕〜餓鬼岳なども良く見え、参加される皆さんは既に次の山に想いを馳せ心躍らされてました。

2時50分に早起きしてからずっと急斜面を上りっ放しだったし、下山の時間を逆算しても余裕があり、天候の心配も無かったので、頑張った御褒美に山頂と展望台ではのんびりしてもらいました(45分間もw)

みなさん安曇野の美味しいパン屋さんで買ったパンでランチを済ませ、11時に下山開始!

下山の裏参道は何度も通った事がありますが、こちらもザレや浮き石の多い急降下になりますが最初は傾斜も緩い森。富士山のような形なので稜線がほぼ平らなのは当然ですねw

 

 

前回ガイドした時にイチヨウランを見掛けたので、皆さんにも見せてあげたくて探しながら歩いたのですが見つけられず、下山後に有明荘の花に詳しいスタッフにも確認したのですが、確かに有明山ではこの時期に咲いてるはずだと言ってました...まぁ下山中もシャクナゲのトンネルに目を奪われていたので見過ごしたのかも知れません(::)

裏参道も特に問題無く順調に下りて、予定通り14時00分丁度に無事下山!!
有明荘でのんびり温泉に入りました。時間に余裕があるというのは本当に有り難いですね。

 

 


今回の表参道からの縦走企画は初だったので、梅雨明けの様な爽やかな天候と、今回もメンバーさんに恵まれ、最後まで安全に楽しく終わることが出来ました。

先月、表参道コースの道整備をしてる時から強い思い入れがあったので、いつも下から見上げてる安曇野のシンボル有明山の頂上に皆さんと立ち、静かに眼下に広がる安曇野を一緒に眺められたことに感無量でした。

ありがとうございました。

有明山・・・凄い山です。IMG_4316

 

 

『有明山・表参道〜裏参道縦走!』” への1件のフィードバック

  1. 有明山…手ごわい、しかし登りがいのある山ですね。景色も、お花も、よかった~。(おまけに天気も最高)これから、有明山を見るたびに、思い出すと思います。
    マッシー手作りの夕食、ホント!新鮮でおいしかった~。ゆっくりお腹いっぱい食べました。飲みました。
    ブログを読んで、いろいろ楽しかったな~♪、と思いました。心のこもったガイドに、いつも感謝しています。

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