『西穂高岳・独立標高点』

大型の低気圧が通過するタイミングで西穂独標に行ってきました。

『1日目』
この日は大型の南岸低気圧が通過し、広い範囲で大雪になるので『不要不急の外出は控えて下さい』とニュースやワイドショーなどでは言われてましたが、高層天気図と地形図を見比べ、新穂高側から樹林帯を登っていく西穂山荘までなら影響も少なく問題無いと判断し催行しました。

テレビのニュースから流れてくる情報だけを鵜呑みにし、自分の頭で考えるのをやめてしまうのは好きではない。
今回は典型的なケースでした。

2月前半には珍しく新穂高の駐車場は雨でしたが、ロープウェイで高度が上がると直ぐに雪に変わり、水墨画のような幻想的な世界が広がっていました。

ニュースのお陰でロープウェイもガラガラ。山頂駅から西穂山荘までは途中でトレースが消えたりする箇所もありましたが、思った通り風も大した事なく全くもって快適に山荘へ到着。

山荘は稜線に建ってるので流石に風も強く雪も深かったので、部屋で装備の確認や明日の説明などミーティング。

久しぶりに支配人で気象予報士の粟沢さんがいらっしゃったので一緒に乾杯し、山岳気象の話からレアな昔の暴露話まで、楽しい時間を過ごさせて頂きました。



『2日目』
夜明け前に外に出てみると満天の星。
朝食を食べてる間に八ヶ岳方面から御来光。
予想通り、素晴らしい朝です。

前日僕らが登ってきた西側の樹林帯は安全でしたが、稜線上は猛吹雪だったようで一面サラサラの新雪!
またまた雪山が一番美しいタイミングを引き当てました。

ただ、トレースは綺麗さっぱり無くなり、また昨日は大勢がキャンセルし登って来なかったため、山荘からの最初の急登は雪が吹き溜まる地形なのでラッセルは逃れられません。

スタートの時間を調整し、外国人を含む若い3人パーティの後に出発しました😅

稜線上は時折風速15メートル程が吹き、ご覧の通りの雪煙が舞い上がります。
こういう時はとにかく急斜面で汗をかかないよう要注意。

丸山付近から13峰まではのっぺりしてる地形なので風が強いが、『独標に着く頃には風は止みます』とお伝えし頑張ってもらいました。

ゴーグルやバラクラバを正しく装着し、正しい歩き方をしてれば大丈夫。
真っ白に化粧直しした山々達に囲まれアドレナリンが放出されるので、皆さん元気でした。


後ろを振り返れば自分達の歩いてきたトレースの遥か後方に焼岳や乗鞍岳。

途中で追い越して行った2名が独標の最後の急斜面で撤退して戻って来ましたが、毎年滑落事故が絶えない場所なので、経験や実力に自信無い場合はとても良い判断だったと思います。

独標の最後の急斜面で落ちると上高地側に400mは滑落し助からないので、いつも通りロープで確保。

アイゼン&ピッケルワークでしっかり登ってもらいますが、こういう所で経験や道具の理解度の差が出てしまいます。
確実に出来てない人はもう少しレベルを落とした雪山で、何度も何度も経験を重ねきちんと身につけましょう。

西穂高岳独立標高点登頂!!

予想通り独標に登頂した頃には風も止み、快適な頂でした。
ロープをアイゼンで踏んだり何度も何度も大声で叱られながらも良く頑張ってくれました。

さて、この日は土曜日。
ロープウェイで大勢が登ってくるので、すれ違いのリスクを避けるためのんびりはしてられません。

下りの方が事故が多いので、雪壁のような急斜面ではピッケルのピックの部分を挿したり、アイゼンの爪先の歯を刺すフロントポインティングなど、登りよりも更に確実なアイゼンピッケルワークが要求されますので、出来ていないと何度でもしつこく注意させて貰います。

12峰を過ぎるまではまだまだ滑落リスクがあるので13峰までロープで確保したまま下ってもらいます。
それにしてもこんな新雪で歩けるなんて、前日の天気が悪くて誰も登ってこなかったのが本当にラッキーです。

飛騨側と八ヶ岳側にも雲海が広がってたので雲の上を歩いてる開放感が堪らなかったです。

振り返ると、大きな13峰の向こうに真っ白なピラミッドピークが呼んでますよ😁
経験を重ね、行ける人は来年、次の目標にしては如何でしょう。

快晴の土曜日ですから西穂山荘は今朝までの静けさが嘘のように大賑わい。
西穂ラーメンを食べ、預けた荷物をパッキングし直しロープウェイ駅までの足取りも軽く戻りました。

雪山は一瞬で姿を変え、難易度もリスクもコロコロ変化するのが難しい所でもあり、とても魅力でもありますね。
同じ独標でも毎回全く違う感動と経験値を与えてくれます。

ご参加いただいたメンバーの皆さん
西穂山荘の皆さん、粟沢さん

ありがとうございました。


『おまけ』
前日の低気圧は南岸低気圧だったので、新穂高側よりも松本や安曇野など普段は快晴率が高く積雪も多く無い地域の方が降ったみたいで、小春を迎えに行ってスーパーで買い物を終え夜20時に我が家に帰宅すると・・・

60センチほどの積雪が、、、しかも除雪車が間に合ってないようで、帰宅早々駐車スペースを作るため、疲れた身体にムチを打ち深さ60センチの雪かき😭

やっと車を停めたはいいが、今度は玄関までの急斜面で完全に階段が埋没。
この急斜面を除雪しなければならないと思うと気が遠くなり、泣きたい気分になってたところ、小春が玄関と駐車場の間を4往復もラッセルしてくれ、アッという間に歩くスペースが確保出来ました。

小春〜〜〜ありがとう💕

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中