『九重山縦走〜由布岳』

今回は浅草岳以来久しぶりに山の旅社のツアーにお呼ばれして九州に上陸し、九重山と由布岳に登って来ました。

1日目は長者原ビジターセンター横の登山口から、清々しい秋晴れの中スタート

キラキラ光る美しいススキの中を木道で進むと、次はコハウチカエデ、コミネカエデ、ブナなどの紅葉が見頃の樹林帯へ。特にレモンイエローの何とも言えないアオハダの優しい葉の色に惹かれました♡

広葉樹から針葉樹まで樹種が豊富な樹林帯を抜けると、雨ケ池越の湿地帯の木道になり、斜面をトラバース気味に下っていくと広大な坊ガツルが見えてきて、数時間の内に風景が次々に変化していきます。

法華院山荘までは三俣山をグルっと周回するルートになってるので、三俣山の陰に入ってる時は寒く、凍ってる所もありました。

ちょうど時間帯も良かったのでしょうか、こんなにススキ原に惚れ惚れしたのは初めてです。
法華院山荘に到着後は温泉に入って乾杯♬ 大船山のスカイラインが夕陽に燃える光景を眺めながら生ビール・・・なんと贅沢な時間でしょう☆

それにしても九州にきて、我が家かと思うほど寒い夜になりましたw

『2日目』
山荘で朝食を食べてからのんびりスタート。
山荘を出発して直ぐ、コマドウ岩と呼ばれる岩壁を横目に大きな石が溜った沢地形のゴーロ帯を通り抜け、火星の様な北千里ガ浜へ。

法華院山荘がある坊ガツルが極楽浄土だとするならば、北千里ガ浜は地獄に見立てられたらしいので、試しに三途の川を行ったり来たりしてみましたw


山の旅社、ついに火星上陸!!

僕は USのユタ州やアリゾナ州の大地が若い頃から大好きだったので、こういう荒涼とした光景に惹かれます。こんな場所は信州に無いしw
九重は2回目ですが前回よりも更に印象に残りました。

そして稜線に上がると反対側には阿蘇山が横たわっていました。

お釈迦様が仰向けに寝ている姿に似ている事から「涅槃像』と例えられてる阿蘇山ですが、頭部にあたる根子岳のギザギザの稜線に興味をそそられます。
 この日は湿度が低かったので空気が澄んでいて、遥か向こうには長崎県の雲仙普賢岳の存在感ある山容まで遠望がききました。
 そして、大地が割れたような外輪山の淵がプチグランドキャニオン、プチナイアガラフォールのようで、その中に町があるのも不思議な光景でした。

ここで星生山を登ってゴールに向う縦走がメインの予定だったのですが、まだ時間が早く、せっかく九州まできて快晴だし下山してしまうのは勿体ないと言う事で、九州本土最高峰の中岳へ往復する事にしました。

中岳直下で水が涸れる事なく冬は全面凍結する火山湖『御池』

九州本土最高峰の中岳からは、眼下の坊ガツルから明日登る由布岳、別府湾から四国の山々、反対側には祖母山など360度の素晴らしい展望。

中岳まで往路では御池の畔を通るコースにしましたが、復路は御池を見下ろす岩陵帯コースで本来のメインである星生山へ。

星生山手前のコルには立派な避難小屋が建設中で、いつか泊まって稜線で夕暮れや朝を迎えてみたいと思いました。

星生山は岩場慣れしてない登山者には危ないルートですが、今回のメンバーの皆さんには楽しんでもらえたようです♬

あちこちから噴煙や水蒸気などを上げてる九州の山々を見渡してると、つくづく日本は世界的にも希有な4つのプレートの交差点で太平洋に押し上げられた火山列島なんだなと実感出来ますね。

扇ガ鼻分岐から沓掛山を登り返し牧ノ戸峠へ下山後は湯布院へ移動♬

宿泊した旅館から直ぐの土産屋や食べ物屋が軒を連ねるメイン通り。

通りの正面には明日登る由布岳が凄い存在感。

この日宿泊した旅館は洗練された居心地良い宿でした。


『3日目』
車で15分くらいの正面登山口からスタート。
中腹の紅葉が素晴らしく見頃でした。

コハウチワカエデ、コミネカエデ、コマユミ、カジカエデ、アオハダなど覚えた葉っぱを復習しながら色とりどりの紅葉を堪能しながらの登山♬

森林限界を越え岩陵帯になるとマタエという分岐点に到着。
ここでヘルメットなどを装着し西峰へ向う岩場へ。

岩場のレベルとしてはちょっと不帰キレットみたいな感じで楽しかったですが割と直ぐに西峰へ登頂してしまいました。

ここから破線ルートのお鉢巡りで東峰へ。崩落が進んで途中ややこしい箇所も(ここは尾根上を行った方が良かったみたい)

かつての噴火口の淵を歩くお鉢巡りで東峰へ到着すると、気軽に登れる東峰には大勢の登山者が居ました。

下山も正面コースから。
由布岳は岩場もありましたが、淡い色から鮮やかな色まで豊富な樹種の紅葉が素晴らしかったです。

ゴール前に後ろを振り返ると・・・

遠くまできても悪天候で登れない事もあるので、三日間とも気持ちの良い青空の下で歩かせてもらえた事に感謝です☆

下山後は由布岳が眺められる地元の温泉へ♨️

帰路は福岡空港で美味しい豚骨ラーメンを食べ名古屋空港へ飛び、名古屋駅で皆さんとお別れして一路安曇野へ。
途中で眠くなったので駒ヶ岳SAで30分ほど仮眠し、夜中1時半に無事帰宅☆

僕は東京新宿区生まれで、生まれも育ちも東京ですが、母親が熊本出身なので小さい頃から夏休みには、18時東京駅発の寝台列車『特急みずほ』で23時間かけ祖父母や親戚の家にいき、阿蘇や天草などの大自然に触れていたのが自分の原点の一つな気がしていて、九州に降り立つと懐かしさというか自分の奥にあるDNAがざわめきます。

祖父母はもちろん大勢居た叔父や叔母も、今はもうほとんど居なくなってしまったので、プライベートで訪れる事は無くなってしまいましたが、僕が九州の山をガイドとして訪れたことを喜んでくれてる気がします。

今回の九州の山旅はお天気、メンバーさん、紅葉、食べ物、お酒、全てに恵まれとても充実した印象深い三日間になりました。

みなさんと九州の地を歩けて良かったです。

ありがとうございました。

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